今回は前景草の中でもグロッソスティグマやニューラージ・パールグラスと並んでダントツの人気を誇るショートヘアーグラスについて解説します。ですが、ただの解説だけだとつまらないので、最後には僕が感じたショートヘアーグラスにしかない魅力や面白い使い方をご紹介します!
1. ショートヘアーグラスの基本情報
照明 | 普通 |
CO2 | 必要 |
pH | 6.0〜7.4 |
KH | 0.5〜2.5 |
2. 照明について
多くの前景草と同様、ショートヘアーグラスの育成には強い光が必要です。とはいえ暗い場所や影になる場所でも育たないわけではなく、ゆっくりと成長します。この点は他の前景草にはない特徴ですね。弱い照明でも育つ前景草といえばコブラグラスですが、ショートヘアーグラスの場合、あくまで暗くても枯れないという程度ですので、光はしっかり確保しましょう。コブラグラスは元から成長が遅いのですが、ショートヘアーグラスは本来はとても成長が早い水草なので強い照明を使うことで丈夫に育ちます。無駄に成長に時間をかけてしまうとコケに負けてしまうので、可能な限り成長を早めてあげましょう。
3. 低床について
一番適した低床素材はソイルです。水を弱酸性に保つためにもソイルの使用をおすすめします。砂でも育ちますが、成長は遅くなります。
4. CO2について
ショートヘアーグラスはCO2を添加していなくても育ちます。ですが、かなり難易度が上がり、失敗する確率も上がるので、添加をおすすめします。逆に言うと、CO2を添加した環境であれば初心者向けの水草です。
5. 植栽について
ショートヘアーグラスの販売形態はさまざまですが、一番のおすすめは組織培養です。組織培養水草のカップにはかなりの量の水草が入っていて、値段も1500円前後ととてもお得です。特に立ち上げ時にショートヘアーグラスを使う場合は組織培養のものを買って初期費用を抑えましょう。また、組織培養水草は無農薬、害虫がついていないなどメリットが多いので一番おすすめの販売形態になります。必要な量は前景に使う場合、20cmキューブ水槽で1カップ、30〜36cm水槽で1〜2カップ、45〜60cm水槽で2〜4カップが目安になります。石組レイアウトで全面に草原を作る場合は上記の倍の量があれば十分でしょう。いづれにしても立ち上げ時の水草の量はコケ防止のためにも多いにこしたことはありません。
ADAのBIOみずくさの森のショートヘアーグラスは培地が液体なので、カップから直接ピンセットで摘んで植栽できます。これは本当に便利でゼリー上の培地を洗い流す作業が不要になり楽なだけでなく、根を傷めることが格段に減ります。基本的にどのメーカーの組織培養水草を選んでいただいて構わないのですが、ショートヘアーグラスに関してはBIOみずくさの森が最強だと思います。
どの販売形態を選んでも基本的な植栽方法は同じで、10本程度の束を根の部分を持って植えます。根がソイルの中にあれば大丈夫です。植栽の段階では全面を埋める必要はありません。成長すればすぐに草原が出来上がります。
6. トリミングについて
根のすぐ上を刈り込むように切ります。直後はかなりさびしい見た目になりますが、すぐに元通りに成長します。このトリミング方法は葉の部分にコケがついてしまった場合に有効です。
7. ショートヘアーグラスの使いどころ
もちろん前景や石組レイアウトで一面に植栽することが多いですが、他にもさまざまな使い方ができる万能な水草です。やはり自然な見た目でイメージを壊しにくいのでしょう。
①雲山石に植えて
ADAのレイアウト素材、雲山石に空いている穴に植えてみました。今回はソイルを流し込んで、そこにピンセットで植栽してみましたが、侘び草なら置くだけなので簡単です。
②水上葉に混ぜて
オーストラリアン・ドワーフヒドロコティレに数本だけ混ぜてみましたが、一気に自然感が増しているのを感じていただけますでしょうか?ちょっとしたことですが、本物の自然を観察することでこのような表現を思いつくことがあります。
最後に
✔️ショートヘアーグラスは強い光が必要だが、暗い場所でも枯れない
✔️成長を早めるためにはCO2添加は必須
✔️組織培養がおすすめ
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