水槽に窒素を添加するメリットを解説!水草の健康状態を底上げしよう

水槽に窒素を添加するメリットを解説!水草の健康状態を底上げしよう

窒素は植物の三大栄養素に含まれるほど重要です。アクアリウムにおいても添加の有無によって水草の健康状態が大きく異なるのが目に見えてわかります。

The Scaper’s Roomはアクアリウムの知識を深め、楽しむための情報メディアです。公式YouTubeチャンネルでは水草水槽やアクアテラリウム等のセットアップ動画を投稿しています。ぜひご覧ください!

液体肥料の極意

水草の立ち上げ後に添加する液体肥料についてはアクアリストの中でも毎日欠かさず適量を添加する人、添加はするが栄養の種類や量は適当な人、気が向いたら添加する人、等々熱量はさまざまです。筆者もどちらかといえば気が向いたときや水草の成長を早めたいときに集中的に添加して、あとは適当に管理しています。水草を育てる上で肥料が重要な要素であることは確かですが、それは一つの要素に過ぎず、実際には光量や水流、それらを考慮した適切なトリミングなどいくつもの技術が重なり合って水草の健康が実現するのです。(上の写真の液肥はADAから発売されているグリーンブライティ・ニトロという商品です。詳しい容量や価格、ラインナップは公式サイトをご確認ください)

適切に作成された水草水草であれば初期のソイルに含まれる栄養と生体の排泄物に含まれる栄養素がバランスよく作用して最初の数ヶ月は追肥しなくても水草が元気に成長します。しかし、閉ざされたアクアリウム環境では栄養は有限です。セットから時間が経過し、栄養の不足が見られたらその分外部から液肥という形で補うというのが長年の経験から筆者が導き出した最適解です。言い換えれば足りないものを足りない分だけ補おう!ということです。何がどの程度足りてないのか、必要な作業は何かを判断できるようになることがアクアリウムの腕を上げることであると言っても過言ではありません。

窒素のメリット3選

続いて窒素を水槽に添加するとどのような効果が見られるのかご紹介します。逆に言えば、これら水草本来の美しさや健康状態が見られないことが窒素が不足しているサインということになります。

1. 葉の色が濃くなる

栄養状態が悪くなり始めた水草は成長速度が早くても、葉色が薄くなりがちです。特に有茎草は成長が早いため栄養不足に気づきにくいですが、トリミング後の葉の展開が遅かったり、新芽が白化している場合には窒素不足を疑いましょう。ほとんどの場合窒素を足すことで本来の美しい色に戻ります。

↑こちらのベトナムゴマノハグサは成長の勢いが非常によく、植栽スペースから吹きこぼれるように伸びていますが、新芽が白化しています。成長の勢いが止まっていなければ窒素を添加することで挽回できるので、同様の症状が見られた際は添加してみましょう。

ベトナムゴマノハグサの育て方はこちら

2. 有茎草の成長が早くなる

有茎草は基本的に成長が早いため観察するのが楽しいですが、その分失速もわかりやすいです。特にグロッソスティグマなど根からの栄養の吸収量が多い水草はソイルの栄養が不足するとわかりやすく成長が遅くなります。また、トリミングによって一時的に成長がストップすることもあります。このような有茎草の成長速度に大きく関わるのが窒素です。成長が遅くなってきたと感じたら添加を検討したり、添加量を増やしてみましょう

3. 水草が大きく展開する

窒素が不足すると成長に支障が出るため、水草の葉は萎縮したような形状になります。このような症状に対して窒素の添加は非常に効果的で、最短で数日後には大きく生き生きとした葉が展開されるようになります。調子の良い水草は美しく、水景全体の美しさを底上げしてくれます。一つ一つの水草の状態を観察して適量を添加しましょう。

添加量の目安

添加量は液肥のパッケージに記載されているので、基本的にはそれに従っていれば問題ありません。しかし立ち上げ直後の水槽はソイルから溶け出した栄養が豊富に含まれていることに加えて、水草の成長が本調子になるまで肥料を吸収する体制が整っていません。従ってセット初期は添加しなくても問題はありません。数日〜数週間後にパッケージ記載量よりも少量を添加して様子をみましょう。

まとめ

不足分の栄養素を適切に補おう

窒素を添加すると葉色が改善する

窒素を添加すると有茎草の成長速度が上がる

窒素を添加すると水草の葉が大きく元気になる

添加量は少なめでスタートするのがおすすめ

今回は水草水槽における窒素の扱い方をご紹介しました。また窒素は霧吹きに混ぜて水上葉に噴射して使用することもでき、侘び草の育成にも有効です。侘び草の水上栽培はこちらの記事も参考にしてください!

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