カブトムシやクワガタムシの採集方法には「ライトトラップ」というものがあります。灯火採集とも呼ばれていて、読んで字の如く光に昆虫を集める方法です。昆虫の光に向かって飛ぶ性質を利用します。今回は単3乾電池たったの3本で使えるLEDライトをご紹介します。本格的なライトトラップには敵いませんが、条件が整えば大量にカブト・クワガタを捕まえることができるのでぜひ参考にしてください!
EARTH MAN ACTIVE STYLE 10W LEDズームヘッドライト
どんなライト?
今回ご紹介するのは高儀のヘッドライトです。本来は頭につけて作業するためのもので、10Wでも非常に明るく値段も2,997円とお手頃です。光の色は白色で、範囲を絞ることもできます。スポットライトのようなイメージです。LEDにしては柔らかい印象です。遠くまで突き抜けるような感じはしないのですが、夜の森で使ってみると遠くの木まで照らせるので、広範囲に光が届いていることがわかります。
使ってみた結果

このライトがライトトラップに使えることに気づいたのは5年ほど前に石垣島で夜の森に行くツアーに参加したときでした。このヘッドライトをつけていると頭に蛾が飛来することに気づいたのが始まりです。それから東京に戻り毎年夏に関東の山で実験した結果、このLEDは昆虫の好む波長を発していることがわかりました。そもそもLEDはライトトラップは向かないと言われていて、愛好家の間では水銀灯やブラックライトが主流です。しかし、これらの消費電力が大きいライトは発電機を持って行かなけれなならないため、誰でも気軽にできる採集方法とは言えません。その点LEDのヘッドライトならばリュックに入れて持っていけるので電車、自転車、徒歩で採集地に向かう際にも手軽です。
気になるその結果ですが、とある山でこのヘッドライト2つを白い布に向けて点灯したところ、開始から数十分でミヤマクワガタのオスが飛来しました。この日は小雨が降っていて少し霧が出ていたのでコンディションは微妙でしたが、しっかりと採集ができました。

使い方
それではどのようにライトを山中に設置しているかをご紹介します。最も簡単な方法は谷など見晴らしの良いところで森に向かって照射することです。これだけでも昆虫は飛んできます。しかし、より多くのクワガタを集めるには白い布を用意しましょう。シーツ等の白い布をロープなどで吊るすか物干し竿等で吊るし、そこにライトをあてます。子供向けの本でもよく見る手法ですね。このヘッドライトは角度が変えられるようになっているので、地面に置いても上向きに設置することでシーツを照らすことができます。

ポータブル電源でパワーアップ!
このヘッドライトは1つでも効果があるのですが、複数購入することでパワーを増すことができます。1つは布、もう1つは森を照らすような置き方も効果的です。
また、少し大掛かりになりますが、ポータブル電源を使ってコンセント式のLEDと組み合わせるとさらに昆虫を集めることができます。今年はLEDのブラックライトとソケットを購入してみました。ソケットは径が合えばなんでも良いので、クリップライトでも大丈夫です。しかし、屋内用に作られていることが多いので使う際はご注意ください。
ポータブル電源は水銀灯や蛍光灯には容量が足りないことが多いですが、LEDならば一晩中使うことができます。災害時にも役立つのでぜひ使ってみてください。
上記のブラックライトがどれくらいの効果があるのかはまだ調査中ですが、ブラックライトとヘッドライトの組み合わせでトラップを作ったときはこのような結果になりました↓


合計W数はたったの30Wくらいですが、このように大量の昆虫が飛来しました。水銀灯など本格的なライトを使うのと大差ないほど採れることもありますので興味のある方はぜひ試してみてください!
マナーを守って楽しもう
夜間にライトを使うトラップは他人に迷惑がかかる場合があります。採集禁止の場所はもちろん、地元の住民がいる場所や住宅の近くではやらないようにしましょう。そもそも街の明かりがある場所ではあまり結果は見込めないので、人のいない山や森でおこないましょう。
LEDでもクワガタは採れる!
ライトトラップの世界では「LEDでは採れない」という風潮があります。実際に街灯や自動販売機がLEDに変更されたことで飛来する昆虫の数は激減しました。しかしこれはあえて昆虫の来ない色味のLEDが使われていることが多いです。何もLED全体がダメなわけではありません。「LEDでは採れない」ではなく「LEDはものによっては採れる」と言った方が正確です。LEDも水銀灯も蛍光灯も発しているのは同じ「光」ですから、その「光」の質次第なのです。今回ご紹介したヘッドライトは偶然昆虫の好む波長を発していました。本格的なライトトラップはハードルが高いと感じている方は1つか2つ購入して採集に出かけてみてはいかがでしょうか。作業用のヘッドライトとしても大変使い勝手が良いのでおすすめです!
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