The Scaper’s Roomはアクアリウムの知識を深め、楽しむための情報メディアです。公式YouTubeチャンネルでは水草水槽やアクアテラリウム等のセットアップ動画を投稿しています。ぜひご覧ください!
侘び草を使った小型アクアテラリウムの制作動画も今回の記事と併せてご覧ください。
ガラスの器に侘び草を入れてみたけど長持ちしない…そんな経験をした人は多いのではないでしょうか。ショップに売っている侘び草はどれも生き生きとしているのにどうして? といったお悩みは、実はいくつかのポイントを抑えれば簡単に解決します。この記事では、侘び草の混栽系(有茎草MIX、エキノ・クリプトMIX、モスベース、かれん)を水上で育てる際の注意点やコツについてご紹介します。
1. 侘び草とは
侘び草はADA(アクアデザインアマノ)が販売から販売特約店を通じて販売されています。土でできたベースに水草の水上葉が高密度で植ったものです。種類はMIX系(複数種の水草)や単植系(一種類の水草)があり、MIX系はそれぞれランダムな種類の水草が植えられているため一つ一つに個性があります。
2. Tips
Tip1. まずトリミング
水上葉の侘び草を購入したらまず軽くトリミングをしましょう。切るといっても全ての水草を短くするのではなく、大きい葉や他よりも成長した水草を切ります。こうすることで1cmにも満たない短い水草にも光が当たるようになり、全体が高密度のまま成長します。立派な水草を切ってしまうのは勿体無いですが、芽吹いたばかりの水草を維持することが長期的に大事になってきます。どうしても成長した水草を残しておきたい場合は、葉だけを切るのも手です。例えばルドウィジア・グランデュローサやカーナミン、ピグミーマッシュルームなどは葉を何枚か落とせばその下に光が届くのでおすすめの手法です。逆に、ロタラ・ナンセアンやヘアーグラスなど葉が細い水草は切らなくても大丈夫です。あくまで小さい新芽に光を当てることが目的ですので、大きい葉でも残しておいて問題がなさそうな場合はそのままでも良いでしょう。
もちろんバッサリ全ての水草を切っても大丈夫です。むしろ全体に光が当たるようになるので、最初に短く揃えたほうがのちの成長は良いです。しかし、寒い時期にトリミングを行うと成長が鈍ることがあるので、成長が遅いと感じた場合は控えめにしましょう。
- 買ったら最初にトリミング
- 大きい葉を切る
- 新芽に光が当たるよう意識する
Tip2. 新鮮な水をあげよう
侘び草は新鮮な水が好きです。ガラス容器などで侘び草を管理している場合は、毎日しっかりと霧吹きをしつつ半分〜全部の水換えを行います。もちろんたまに怠ったからと言ってすぐに枯れてしまうことはありませんが、水道から直接水をかけても大丈夫なので、なるべく毎日新しい水を与えましょう。
特に霧吹きは今回ご紹介する中で一番重要です。水分補給に加えて害虫対策にもなるので、これだけは怠らないようにしましょう。後でご紹介する侘び草ミストを使用して葉に栄養を与えることもできますが、霧吹きに窒素などを含んだ液肥を混ぜることでも追肥ができます。
窒素を水草水槽に添加する際のポイントはこちらの記事をご覧ください。
- 常に新鮮な水を与えよう
Tip3. 伸びた水草はトリミング
詳しいトリミング方法はTip1を参照してください。ここではトリミングをするタイミングについて考えていきます。経験から、気持ちやや早めにトリミングをすることが長期維持のコツです。一番見応えのあるボリュームになったらしばらく飾ってからトリミングしましょう。切った水草を湿ったソイルなどに植えればそこから水上葉が展開し、やがて大きく成長します。水草水槽に植えて水中栽培に切り替えても良いでしょう。
Tip4. 害虫対策
水草の水上栽培で最も厄介なのが害虫です。水中ではスネールなどの景観を損なう害虫が湧くことがありますが、水上葉の場合は実際に植物を枯らしてしまう害虫がつくことがあるので厄介です。ですが対策はシンプル。バケツに水をはり、侘び草を沈めます。これだけで葉や茎についた害虫が浮いてくるので、そのまま流してください。つけておく時間は1時間もあれば十分ですが、少しでも残っているとまた増えるので一晩くらいつけておいても良いでしょう。害虫がついていない場合もたまに水に沈めることをおすすめします。予防になるだけでなくしっかりと侘び草に水分を含ませることができるからです。
ADAから販売されている侘び草ミストは肥料分に加えて害虫を予防する効果がありますが、実際使ってみたところ完全な予防はできませんでした。またこれはあくまで予防であり、殺虫剤ではないので根絶することはできません。
- 害虫は侘び草を水没させて対処
- 害虫がいなくてもたまに水没させよう
3. 最後に
いかがでしたか? これらのTipsはあくまで筆者の経験をもとに書いていますので、この通りにしたからといって必ずしも同じ結果になるとは限りません。他にも気温や湿度、季節といった要素が絡んでくるので、一概にこれが正しいという手法はないのですがこの記事が侘び草でお悩みの方の役に立てれば幸いです!
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